簿記2級を目指して!

合格テキスト 日商簿記2級商業簿記 Ver.5.1 (よくわかる簿記シリーズ)

合格テキスト 日商簿記2級商業簿記 Ver.5.1 (よくわかる簿記シリーズ)

テーマ2:銀行勘定調整表
「銀行勘定調整表とは」
 企業の当座預金勘定の残高と銀行側の当預金口座の残高が一致しないことがある。決算日や月末ごとに残高証明書を銀行に発行してもらい、原因を調査し、銀行勘定調整表を作成し、不一致の原因を明らかにする。
「貯金残高が一致しない場合」
 一致しない原因
 鄯時間外預入
   銀行の営業時間終了後に夜間金庫などに現金を預け入れること。
    企業側…預け入れ当日に当座預金の増加処理
    銀行側…よく営業日の入金として処理。
   時の経過により両者の残高は一致するので修正仕訳は必要なし。
 鄱未取立小切手
   個人振出の小切手を銀行に預入れて取立を依頼したにもかかわらず、銀行がまだ取り立てていない小切手。
    企業側…小切手を預入れた段階で当座預金の増加として処理。
    銀行側…取立が完了していない。
   なので両者の残高が一致しない。
 鄴未取付小切手
   取引先に渡したにもかかわらず、まだ取引先が銀行に呈示(取り付け)していない小切手。
    企業側…小切手を振出した当日に当座預金の減少処理。
    銀行側…小切が呈示されたときに支払いの記帳されるので両者の残高が一時的に一致しなくなる。
   時の経過により両者の残高は一致するので、修正仕訳は必要ない。
 鄽連絡未通知
  銀行で当社に関する当座振込や自動引落としなどがあったにもかかわらず、いまだ銀行から連絡がないこと。
   企業側…未記帳
   銀行側…処理済  両者の残高は一致しない。
  (仕訳例)
    当座預金について、決算日に得意先から売掛金200円の振込みと手形代金400円の引落としがあったが、当方に未達のため、未記帳になっていた。
    (当座預金) 200   (売掛金) 200
    (支払手形) 400   (当座預金)400
 酈企業側誤記入
   企業側が実際に預入れた金額と異なる金額で記帳してしまうこと。
   銀行側の残高とは一致しない
  (仕訳例)
    得意先からの売掛金の振込額600円を650円と誤記していた。
     (売掛金)50     (当座預金)50
 酛未渡小切手
   すでに作成しているが、なんらかの理由によりまだ取引先に渡していないため、手許に残っている小切手
     企業側…小切手を振出したときに当座預金の減少処理。
     銀行側…見渡しのため、記帳していない。
  (仕訳例)
    買掛金支払いのために振出した小切手150円(振出時に記帳済み)が決算日において金庫に保管されたままであった。
      (当座預金)150   (買掛金)150
   ※実務上、未渡小切手は保管(管理)上の問題から、これをいったん廃棄するこが慣例。
   POINT)
   「未渡小切手」のうち、費用や固定資産の購入代金を支払うために振出した小切手が未渡しの場合、決算で行う修正仕訳は貸借逆仕訳とはならない。
   (1)買掛金などの債務を支払うために振り出していた場合、その処理を取り消すために貸借逆仕訳を行う。
      ・振出時 :(買掛金) 150  (当座預金) 150
      ・修正仕訳:(当座預金)150  (買掛金)  150
   (2)費用や固定資産の購入代金を支払うために振出した場合は費用はすでに発生し、固定資産はすでに増加しているのでこれらは減らさず、未払金勘定で処理。
      ・振出時 :(広告費 )150  (当座預金) 150
      ・修正仕訳:(当座預金)150  (未払金 ) 150